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従業員への損害賠償請求

山下江法律事務所

《従業員への損害賠償請求》 弁護士 地引 雅志 2019.8

(秘書)先生!最近、会社の従業員が不祥事を起こしてニュースによくなりますね。こういった場合、会社は、どのように対処するのですか。

(地引)そうですね。色々と考えられますが・・・、問題となる点として、会社の従業員に対する損害賠償責任の追及があります。
例えば、会社のお金を横領したり、会社のルールに背いたり、会社の備品とかを壊したりして、会社に損害を生じさせた場合とかですかね。

(秘書)そういえば、そんな感じの案件もありました。でも、従業員が会社に損害を与えた場合、その従業員は、会社の損害全部を負担しなければならないのですか?ちょっと、腑に落ちないのですが・・・。

(地引)いい質問ですね。結論から言うと、会社の従業員に対する損害賠償請求は、制限されることがあります。

(秘書)やはりそうなのですね!なぜ制限されるのですか?

(地引)それもまたいい質問ですね。会社は、従業員を用いて利益を上げたりしているよね。それなのに、いざ従業員の行為によって会社に損害が発生したとき、その損害全部を従業員へ負担させるのは公平ではないですよね。

(秘書)そうですね。

(地引)とはいえ、具体的にどれぐらい制限されるかは色々な事情を踏まえて判断されます。例えば、会社が問題となった従業員の行為について、予防策を講じていたかどうかです。会社が予防対策をしていたのに従業員がやってしまった場合と、会社が予防対策をすることなく従業員がやってしまった場合とを比較したら、後者の方が会社の負担割合を増やすべきですね。

(秘書)なるほど!それなら、会社と従業員との間で、従業員がペナルティーになるような行為をした場合、従業員が会社に対し、賠償金として、いくらいくら支払えと約束させるのはどうですか?凄く効果がありそうですが。

(地引)なかなか強烈な案ですね(笑)。ただ、労働基準法は、そのような損害賠償額を予定する約束(契約)を禁止しています。なので、そのような約束(契約)は無効となります。

(秘書)なぜですか?

(地引)簡単にいうと、労働者の足止め(拘束)を防止することです。そんな約束をしたら、従業員の自由な意思を不当に拘束して、労働関係の継続を強要することになりますよね。
賠償予定の禁止規定に違反すると、罰則もあるため、会社としては、従業員との間で、そのような契約をしないよう注意が必要ですね!


弁護士 地引 雅志

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