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山下江法律事務所

Yamashita Ko Law Office News Letter 2023/8 vol.68
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【Q&A】そうだ!弁護士に聞いてみよう!《従業員が業務中に犯罪行為に及んだ場合、会社は告訴できるの?》弁護士 久井 春樹

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先日、某中古車販売企業の社長が開いた会見のニュースを目にしたのですが、社長が、不正を行った従業員を「告訴」すると言っていたようです。すぐ撤回したみたいですが…。従業員が業務中に犯罪行為に及んで、顧客等に被害を与えた場合、会社は、警察に「告訴」して、従業員の処罰等を求めることができるものなのでしょうか。
「告訴」とは、その犯罪被害者等の告訴ができると法律で定められた人(告訴権者)が、警察等の捜査機関に対し、犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求める手続きを言います。要は、「告訴」の手続きは、犯罪被害者等にしかできません。従業員が、業務中、顧客からお金を騙し取ったような場合、被害者はあくまでその顧客で、会社ではないため、会社は従業員を「告訴」することはできません。
むしろ、もしその従業員の犯罪行為が組織ぐるみで行われていたような場合であれば、会社の上層部等は、共犯者として、「告訴」する側でなく、「告訴」される側に回る可能性があります。
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もし従業員が、業務中、独断で犯罪行為に及んでいて、会社が後から不正を知ったような場合、会社側からは、警察等に届出する術はないのでしょうか。
いいえ。その場合は、「告発」という手続をとることができます。「告発」とは、被害者等以外の第三者が、捜査機関に対し、犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求めることを言います。この手続によって、捜査機関に従業員の処罰等を求めることができます。

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