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退職代行サービスの広がりとその利点、そして退職代行サービスがはらむ危険性について

 退職を言い出すことは、なかなか難しいものです。「けがをしたことが理由で仕事をすることが物理的に難しくなった」などのようなケースは言いやすいものですが、「上司からのパワハラが原因であるため、切り出すのも怖い」とおびえる人もいるでしょう。
 そのような人の手助けをするのが、「退職代行サービス」です。

 ただこの退職代行サービスには、メリットもあればデメリットもあります。ここでは、

・退職代行サービスの成り立ちとサービス内容
・退職代行サービスのメリットとデメリット
・退職代行サービスを利用しないで円満に職を辞する方法

について解説していきます。

退職代行サービスの成り立ちとサービス内容

 退職代行サービスは、近年よく取りあげられるようになったサービスです。2018年にはNHKでも取り上げられ、広く認知されるようになりました。

 退職代行サービスは、ごく簡単にいえば、「退職したいと考える当事者に代わって、会社側に退職の意向を示すサービス」です。
 多少お金はかかりますが、「言い出しにくいことを伝えなくて済む」「直接会社の人とやりとりをしなくて済む」ということで、注目を集めました。

 退職代行サービスのなかには転職をサポートしてくれるところもあります。転職エージェントと提携していて、次の職場に迅速に移れるように相談に乗ってくれたり、面接対策をしてくれたりするところもあり、退職→転職活動→再就職 の流れをとりやすくしているのです。
 24時間いつでも受付をしているところもあるので、すぐに相談することもできます。

退職代行サービスには良い面もあれば悪い面もある~退職代行サービスのメリット・デメリット

 退職代行サービスには、メリットもあればデメリットもあります。それについて解説していきます。

 退職代行サービスのメリットは、主に以下の3つに分けられます。

 1.上司などとやり取りをしなくて済む
 2.間に人が入ることで、引き留められる可能性が極めて低くなる
 3.即日でも対応ができる

 対して、退職代行サービスのデメリットは以下の3つです。

 1.お金がかかる
 2.そもそも、退職の意志を伝えてから2週間すれば辞めることができる
 3.退職代行サービスのなかには、必要な資格を有している人がいないところも多い

 それぞれ見ていきます。

【メリット】

1.上司などとやり取りをしなくて済む

 「けがをしたので物理的に仕事を続けることが難しい」「結婚することになったので、退職して配偶者の住んでいる県に引っ越す」などの場合は、退職を言い出すことはそれほど難しくはないでしょう。
 しかし、「上司のパワハラが原因で辞めたいと考えている」「退職を言い出したときに怒鳴られたのがトラウマで、上司とやりとりをしたくない」などのようなケースでは、退職を言い出すこと自体がストレスとなってしまいます。しかし退職代行サービスを利用すれば、自分でやり取りを行う必要がなくなります。

2.間に人が入ることで、引き留められる可能性が極めて低くなる

 「退職したいと告げたが、引き留められている」などの理由で、退職ができないと悩む人もいるでしょう。
 しかし退職代行サービスを使えば、退職代行サービスのスタッフがやりとりをしてくれます。このため、引き留められる可能性も極めて少なくなります。

3.即日でも対応ができる

 「仕事を辞めたいと思っているが、ブラック企業のうえに激務なので、専門機関に相談に行けない」と悩んでいる人にとっても、退職代行サービスは有効です。上でも述べたように、退職代行サービスのなかには24時間365日いつでも対応をしてくれているところがあります。このようなところの場合、仕事から帰ってきた後の深夜などにも相談に乗ってくれます。

【デメリット】

1.お金がかかる

 退職代行サービスの利用にはお金がかかります。
 退職代行サービスの内容によっても異なりますが、相場は30,000円程度だとされています。
 そしてこの費用を払っても、退職代行サービスが行えることには限度がある場合もあります。

2.そもそも、退職の意志を伝えてから2週間すれば辞めることができる

 よく勘違いされていることですが、退職は「会社側の許可がなければできないもの」ではありません。
 民法の第627条には、「雇用の期間を定めないとき(一般的な正社員など)からの申し出を受けた場合、2週間を経過したら雇用が終了する」と定めています。たとえ就業規則に「退職したい場合は1か月前に言うこと」としていても、この民法の方が優先されます。つまり、退職届を直属の上司に出すだけで2週間後には退職ができるのです。またこの退職届は、「内容証明郵便」というかたちで、郵送で出すだけでも構いません。

3.退職代行サービスのなかには、必要な資格を有している人がいないところも多い

 退職代行サービスのもっとも大きな注意点は、「そもそも退職代行サービスの会社のなかには、必要な資格を有している社員がいない場合もある」という点です。
 日本の法律では、「個人の代理人として、法的な権利を主張したり交渉したりすることができる者は、弁護士に限られる(業として行い有償の場合)」としています。
 弁護士の資格を有している人がいない退職代行サービスの場合、これに違反する可能性も考えられるのです。

弁護士ならばあらゆるトラブルを法の観点から解決していける

 「退職代行サービスのなかには、必要な資格を有している人がいないところも多い」のところでも触れたように、本来、有償で法的な権利の主張や交渉を業としてできるのは、原則として、弁護士の資格を持つ者だけです。

 退職代行サービスを利用したいと考える人の場合、「残業代が未払いである」「消化していない有給休暇がある」などの問題を抱えている場合も多いかと思われます。弁護士資格を持っていない退職代行サービスの場合は、このような問題に対して、交渉する力を持っていないのです。会社側も退職代行サービスに対抗する知識を持っていることも多く、つっぱねられる可能性もあります。

 しかし弁護士の場合は、あらゆるトラブルに対して、法の観点から解決策を示すことができます。退職のやりとりで疲労している人を救うこともできますから、まずは弁護士にご相談ください。

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