《あなたの行為はパワハラ?》2018.8
(秘書)最近、スポーツの世界でのパワハラがテレビで報道されていますね。そもそもパワハラってどのようなものなのですか。
(弁護士)最近だとアメフト部やレスリング協会でパワハラが問題になりましたね。パワハラについて法的な定義はありません。一般的には、同じ職場で働く人に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与え又は職場環境を悪化させる行為と言われています。
(秘書)なんだか難しいですね。
(弁護士)文章にすると分かりにくいので、具体例をいくつか上げてみましょう。
(秘書)お願いします!
(弁護士)1つ目は、暴行などの身体的な攻撃です。これはどのような理由があっても業務の適正な範囲とはいえません。2つ目は、脅迫・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃。3つ目は、隔離・仲間外し・無視などの人間関係からの切り離しです。
(秘書)お客さんの前で「馬鹿!!」と怒鳴ったりする行為は2つ目の類型。暑気払い・忘年会に呼ばないなどの行為は3つ目の類型にあたる訳ですね!
(弁護士)その通りです!よく理解されていますね。上記の3つの類型はパワハラに該当する可能性が高いです。
(秘書)他の類型もあるのですか。
(弁護士)業務上明らかに不要なことや過大な要求をする行為、業務上の合理性なく程度の低い仕事しか与えない行為、私的なことに過度に立ち入る行為もパワハラに該当する可能性があります。
(秘書)仕事の内容などは、個々の能力に応じて変わりますし、仕事量は時期によっても変わるので難しいですね。
(岡)そうですね。行為が行われた状況や行為の継続性などの事情をもとに個別に判断するしかありません。
(秘書)パワハラと認定されるとどのような問題が生じるのですか。
(弁護士)被害を受けた社員は、パワハラをした社員や会社に対して損害賠償請求をすることができます。また、パワハラが行われている会社ということで会社の評判が落ちることも考えられます。
(秘書)会社の損害は計り知れませんね。事前の対策が大切になりますね。
(弁護士)事前にパワハラの勉強会などをして、パワハラについて理解しておく必要がありますね。