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事実上の取締役(実質的経営者)に対する責任追及

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目次

【Q&A】そうだ!弁護士に聞いてみよう!

《事実上の取締役(実質的経営者)に対する責任追及》弁護士 春名 郁子 2024.8

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ある会社の取引先が倒産して、売掛金の回収が出来なくなって、困っているそうです。何とかならないんでしょうか。
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破産した会社自体には資産がない場合が多いので、売掛金を会社から回収するのは難しいです。そこで、取締役に責任追及することが考えられます。会社法429条1項は、取締役に任務懈怠があった場合、これによって第三者に与えた損害を賠償する責任を負う旨定めています。
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具体的には、どんな場合に取締役に損害賠償請求できますか。
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例えば、会社が赤字続きで経営状態が極めて悪化しており、金融機関からの借入れもできない状況にあって、支払いの見込みがないにもかかわらず、何ら経営立直しの対策を講ずることもなく、漫然と経営を続け、商品を仕入れ、代金を支払わないまま倒産した事例において、代表取締役の責任が認められた判例があります。
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倒産した会社は、ワンマン社長が取り仕切っていたのですが、登記上は別の人が代表取締役になっていて、ワンマン社長は取締役でもないそうです。
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従業員や取引先の人から「社長」や「会長」と呼ばれ、本来は取締役が行うべき会社の事業を取り仕切っているなど、実質的に会社を支配していたと認められる場合、事実上の取締役として、会社法429条1項を類推適用して、損害賠償責任が認められた判例が多数あります。
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登記されている代表取締役や取締役には責任追及できないのですか。
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できます。名目的であっても、代表取締役あるいは取締役である以上、会社の適正な業務執行をなすべき義務があり、ワンマン社長の任務懈怠行為を放置したこと、監視義務を怠ったことについて、会社法429条1項により損害賠償責任を負うものと解されています。

執筆者

春名郁子

東京虎ノ門オフィス/弁護士

1989年司法試験合格。1990年京都大学法学部卒業。1992年~裁判官任官。一般民事をはじめ、執行、保全、刑事、少年事件等の様々な事件を担当。2003年~東京法務局訟務検事。国の代理人として行政事件に携わる。2023年弁護士登録。都内法律事務所勤務を経て、弁護士法人山下江法律事務所に入所。東京弁護士会所属。
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