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【Q&A】そうだ!弁護士に聞いてみよう!
《退職後の独立、法的に問題ある?》福山支部長/弁護士 伊藤 敦史 2025.8

友人が長く勤めた会社を辞めて、同じ地域で同じような会社を立ち上げようとしているのですが、これは競業避止義務違反にならないのでしょうか?

ちょっと待って。その前に、その人は在職中に退職後の競業を準備していたり、勤務先の顧客を新しい会社に取り込もうとしたりしていないよね?
それがあると、不法行為や債務不履行責任を問われる可能性があるからね。
それがあると、不法行為や債務不履行責任を問われる可能性があるからね。

いや、さすがにそれはなさそうです。

そうか。退職後であれば、契約上の競業避止義務は消滅しているから、会社との特約がない限り、競業避止義務違反にはならないよ。

特約があるかどうかはわかりませんが、ほかの友人は会社を辞めるときに、競業避止義務などを定めた誓約書を書くように言われていました。

それは、会社と従業員との間で退職後の競業を禁止する特約がなかったんだろうね。だから退職後に個別に合意する必要があって、誓約書を書くように言われたんだと思う。
その場合、誓約書に合意するかどうかは、その友人の自由な意思で判断されなければならないよ。
仮に、誓約書の提出を拒絶しがたい状況で、自由意思に反して作成・提出された場合は、その誓約書が無効になることもあるね。
その場合、誓約書に合意するかどうかは、その友人の自由な意思で判断されなければならないよ。
仮に、誓約書の提出を拒絶しがたい状況で、自由意思に反して作成・提出された場合は、その誓約書が無効になることもあるね。

在職中の競業を禁止する特約って、その会社に就職したら個別に会社と合意書などを作成するんですか?

いや、就業規則や労働協約の一般的な規定で定められていても効力は生じるよ。
ただし、個人の職業選択の自由や生計手段の確保も重要だから、競業避止義務の内容(業務の範囲、期間、地域)は、職種や地位などから判断される目的に照らして、合理的な範囲でなければならない。
もし会社が合理性を欠く競業避止義務違反を主張しても、その合意内容が無効とされたり、会社の主張が権利の濫用とみなされることもあるよ。
ただし、個人の職業選択の自由や生計手段の確保も重要だから、競業避止義務の内容(業務の範囲、期間、地域)は、職種や地位などから判断される目的に照らして、合理的な範囲でなければならない。
もし会社が合理性を欠く競業避止義務違反を主張しても、その合意内容が無効とされたり、会社の主張が権利の濫用とみなされることもあるよ。

競業避止義務に違反すると、どうなってしまうんですか?

以前の勤務先の会社から損害賠償を請求されたり、場合によっては営業行為の差し止めを求められるかもしれない。また、退職金の不支給、減額、返還請求がされる可能性もあるね。

ヤバッ。