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社労士だより「裁量労働制に関する2024年4月1日 主な法改正内容」2024.3

山下江法律事務所

 業務提携先である、フクシマ社会保険労務士法人の社会保険労務士/松本雄介さんによるコラムを連載します。ぜひご覧ください。

目次

1.裁量労働制とは

 裁量労働制は、実際の労働時間ではなく、企業と労働者間であらかじめ定められた時間を働いたものとみなし、賃金を支払う制度で、大きく「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」の2つがあります。

専門業務型裁量労働制 企画業務型裁量労働制
業務の性質上、その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量に委ねる必要があるため、業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令及び大臣告示で定められた20の業務の中から、対象となる業務等を労使協定で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使協定であらかじめ定めた時間労働したものとみなす制度 事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、業務の性質上、これを適切に遂行するには、その遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、業務遂行の手段や時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする労働基準法で定められた業務等について労使委員会で決議し、労働基準監督署に決議の届出を行い、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使委員会の決議であらかじめ定めた時間労働したものとみなす制度

 裁量労働制は上記下線のとおり、適用できる業務が法律等で決まっているため、該当業務以外に従事する労働者には適用できません。

 裁量労働制の概要等については、厚生労働省のHPをご覧ください。

2.専門業務型裁量労働制に関する法改正内容(2024年4月1日改正)

 2024年4月1日以降、専門業務型裁量労働制を導入するためには、導入する全ての事業場で、専門業務型裁量労働制の労使協定に下記の⑥・⑦・⑧・⑩を追加し、労働基準監督署へ協定届の届出を行う必要があります。

 ※既に制度を導入済みで2024年4月1日以降も継続する場合は、2024年3月31日までに協定の締結及び協定届の届出が必要となります。

労使協定に明記すべき内容

  1. 制度の対象とする業務(省令・告示により定められた20業務)
  2. 1日の労働時間としてみなす時間(みなし労働時間)
  3. 対象業務の遂行の手段や時間配分の決定等に関し、使用者が適用労働者に具体的な指示をしないこと
  4. 適用労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉確保措置の具体的内容
  5. 適用労働者からの苦情処理のために実施する措置の具体的内容
  6. 制度の適用に当たって労働者本人の同意を得なければならないこと
  7. 制度の適用に労働者が同意をしなかった場合に不利益な取扱いをしてはならないこと
  8. 制度の適用に関する同意の撤回の手続
  9. 労使協定の有効期間(※3年以内とすることが望ましい)
  10. 労働時間の状況、健康・福祉確保措置の実施状況、苦情処理措置の実施状況、同意及び同意の撤回の労働者ごとの記録を協定の有効期間中及びその期間満了後3年間保存すること

3.企画業務型裁量労働制に関する法改正内容(2024年4月1日改正)

 2024年4月1日以降、企画業務型裁量労働制を導入するためには、導入する全ての事業場で、企画業務型裁量労働制の労使委員会の運営規程に下記「運営規程に明記すべき内容」の④~⑥を追加後、決議内容及び決議届に下記「決議内容」⑧・⑨・⑪を追加し、労働基準監督署へ決議届の届出を行う必要があります。

 ※既に制度を導入済みで2024年4月1日以降も継続する場合は、2024年3月31日までに決議及び決議届の届出が必要となります。

 また、使用者は、企画業務型裁量労働制の制度導入後、対象労働者の労働時間の状況及び健康・福祉確保措置の実施状況について、制度の「労使委員会の決議が行われた日」から6ヶ月以内ごとに1回、労働基準監督署へ報告(定期報告)を行うこととなっておりますが、「労使委員会の決議の有効期間の始期から起算して初回は6か月以内に1回、 その後1年以内ごとに1回」と報告頻度も改正されますのでご注意ください。

運営規程に明記すべき内容

  1. 労使委員会の招集に関する事項
  2. 労使委員会の定足数に関する事項
    (※)労使を代表する委員それぞれ1名計2名で構成される委員会は労使委員会として認められません
  3. 労使委員会の議事に関する事項
  4. 対象労働者に適用される賃金・評価制度の内容について使用者からの説明に関する事項(説明を事前に行うことや説明項目など)
  5. 制度の趣旨に沿った適正な運用の確保に関する事項(制度の実施状況の把握の頻度や方法など)
  6. 労使委員会の開催頻度を6箇月以内ごとに1回とすること
  7. その他労使委員会の運営について必要な事項

決議内容

  1. 制度の対象とする業務
  2. 対象労働者の範囲
  3. 1日の労働時間としてみなす時間(みなし労働時間)
  4. 対象労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉確保措置の具体的内容
  5. 対象労働者からの苦情処理のために実施する措置の具体的内容
  6. 制度の適用に当たって労働者本人の同意を得なければならないこと
  7. 制度の適用に労働者が同意をしなかった場合に不利益な取扱いをしてはならないこと
  8. 制度の適用に関する同意の撤回の手続
  9. 対象労働者に適用される賃金・評価制度を変更する場合に、労使委員会に変更内容の説明を行うこと
  10. 労使委員会の決議の有効期間(※3年以内とすることが望ましい)
  11. 労働時間の状況、健康・福祉確保措置の実施状況、苦情処理措置の実施状況、同意及び同意の撤回の労働者ごとの記録を決議の有効期間中及びその期間満了後3年間保存すること
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