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社労士だより「雇用保険法の改正~教育訓練休暇給付金について~」2025.11

山下江法律事務所

業務提携先である、フクシマ社会保険労務士法人の社会保険労務士/松本雄介さんによるコラムを連載します。ぜひご覧ください。

目次

雇用保険法の改正~教育訓練休暇給付金について~

1.教育訓練休暇給付金とは

教育訓練休暇給付金とは、労働者が離職することなく教育訓練に専念するため、自発的に休暇を取得して仕事から離れる場合、失業給付(基本手当)に相当する給付として賃金の一定割合を支給することにより、訓練・休暇期間中の生活費を保障する制度で、令和7年10月に創設されました。一定の条件を満たす雇用保険の一般被保険者(高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者は除く)が、就業規則等に基づき連続した30日以上の無給の教育訓練休暇を取得する場合、教育訓練休暇給付金の支給が受けられます。

2.支給対象者

以下の①、②の両方の要件を満たすことが必要です。

  1. 休暇開始前2年間に12か月以上(原則、11日以上の賃金支払いの基礎となった日数がある月)の被保険者期間があること
  2. 休暇開始前に5年以上、雇用保険に加入していたこと(過去、基本手当(失業給付)や教育訓練休暇給付金、育児休業給付金、出生時育児休業給付金を受けたことがある場合、通算できない期間が生じる場合あり)

3.支給対象となる休暇

以下のすべての要件を満たす休暇が対象です。

  1. 就業規則や労働協約等に規定された休暇制度に基づく休暇であること
  2. 労働者本人が教育訓練を受講するため自発的に取得することを希望し、事業主の承認を得て取得する30日以上の無給の休暇(教育訓練以外の目的を含む休暇制度に基づく休暇であっても、教育訓練を受講するための休暇であれば該当し、また、事業主や上司からの案内がきっかけであっても、本人の意思で取得を希望する休暇であれば該当。)
  3. 次に定める教育訓練等を受けるための休暇
    ・学校教育法に基づく大学、大学院、短大、高専、専修学校又は各種学校が提供する教育訓練等
    ・教育訓練給付金の指定講座を有する法人等が提供する教育訓練等
    ・職業に関する教育訓練として職業安定局長がさだめるもの(司法修習、語学留学、海外大学院での修士号の取得など)

4.受給期間・給付日数・給付日額

  1. 受給期間:受給期間(給付を受けることのできる期間)は、休暇開始日から起算して1年間で、受給期間内の教育訓練休暇を取得した日について給付を受けられます。
  2. 給付日数:雇用保険に加入していた期間に応じて以下の日数です。
    加入期間 5年以上
    10年未満
    10年以上
    20年未満
    20年以上
    所定給付日数 90日 120日 150日
  3. 給付日額:原則、休暇開始前6ヶ月間の賃金日額に応じて算定されます(失業給付の算定方法と同じであり、休暇開始日の前日を離職日と見なして算定されます)。

5.教育訓練休暇給付金の申請

給付金の申請は労働者本人で行いますが、事業主におかれましても対応(教育訓練休暇開始時賃金月額証明書の手続きなど)が必要となります。

その他の詳細につきましては、厚生労働省「教育訓練休暇給付金のご案内」をご覧ください。

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