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企業法務に関わる著作権法改正をわかりやすく~平成30年以降の改正から

山下江法律事務所

 情報化社会の進展に伴い、平成30年(2018)以降、著作権法は頻繁に改正を重ねてきました。制限が緩和されたこと、強化されたことを正しく理解しておかないと、著作物の利活用の機会を逃したり、自身の権利を守れなかったり、あるいは不用意に著作権を侵害したりすることもあります。この様な事態に陥らないよう、著作権法改正のポイントを弁護士がわかりやすく解説します。

  監修 弁護士 笠原 輔
プロフィール
岡山県倉敷市出身。岡山県立倉敷南高校卒業、京都大学法学部卒業、同大学法科大学院修了。2006年9月司法試験合格、2006年11月最高裁判所司法研修所入所、2007年12月司法修習終了後、広島弁護士会に登録。山下江法律事務所に入所。
主な弁護士会活動(委員会)
子どもの権利委員会副委員長、民事介入暴力問題対策委員会
主な取扱分野
企業法務、債権回収、交通事故、借金(任意整理、自己破産、個人再生)、その他民事事件全般、離婚、相続、その他家事事件全般、告訴、告発など

企業法務に関わる著作権法改正をわかりやすく~平成30年以降の改正から

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最近、著作権法の改正が相次いでいますね。
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おっしゃるように、著作権の分野は近年改正が頻繁に行われていますね。それだけ著作権をめぐる世の中の動きが活発になっているということだと思います。特に平成30年(2018年)以降は重要な改正が相次いでいます。企業法務に関連するものを中心に説明しますね。

目次

平成30年(2018年)著作権法改正から

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平成30年(2018年)は、平成30年法律第30号による改正、平成30年法律第70号による改正、平成30年法律第72号による改正が公布されました。
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それぞれどのような目的で改正することになったのですか?
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平成30年法律第30号による改正は、デジタル化・ネットワーク化の進展に伴い、著作物の利用を促進するために、著作者の許諾を得なくても利用できる範囲を拡張するための改正です。一方、平成30年法律第70号による改正は、改正環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の締結に伴うもので、著作物の保護期間の延長や著作権侵害罪の一部非親告罪化など、著作者の権利を強化することを目的としています。最後の平成30年法律第72号による改正は、著作権の移転に関するものです。主な改正内容について説明しますね。

デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限(平成31年1月1日施行)

 これまでもデジタル化・ネットワーク化の進展に伴い、例えば検索エンジンの運営者がインターネット上のウェブページを複製する際に著作者の許諾を不要とするなど、著作権法の改正を進めてきました。しかし、許諾が不要となるケースを方法や目的を限定して認める定め方をしていたため、よく似た態様の行為であっても、許諾の要否がまちまちになるという問題が生じていました。
 今後、IoT・ビッグデータ・AI等の技術を活用したビジネスを推進していくという観点からは、許諾が必要なのか不要なのかがはっきりしない状態が続くと、著作権侵害で訴えられるリスクを抱えることになり、企業は安心して新ビジネスを始めることができません。また、その都度法令を改正して対応する形では時間がかかってしまい、スピードが命のネットビジネスで日本が置いていかれてしまう恐れもあります。
 そこで、①著作者の利益を通常害さないと評価できる行為類型、②権利者に及びうる不利益が軽微な行為類型、③その他の行為類型に分け、①や②に該当するものについては、著作者の許諾を得なくても著作物を利用できる場合をより柔軟に認めることにしました。この改正によって、例えばAIの学習のためにデータを「教材」として利用するような場合には、著作者の許諾が不要となりました(著作権法30条の4、47条の4、47条の5等)。

教育の情報化に対応した権利制限(令和2年4月28日施行)

 これまでも授業中に利用する著作物については、無許諾での利用が認められていましたが、教師が他人の著作物を利用した予習・復習用の教材を児童・生徒にメールで送信することやオンデマンド形式の授業の配信については、著作権者の許諾が必要とされていました。これを補償金の支払いを条件として、権利者の許諾なく行えるようにしました(著作権法35条等)。
 なお、この改正の施行は公布から3年以内(令和3年5月24日まで)とされていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、リモート授業のニーズが高まったことから、1年前倒しで施行されています。

障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限(平成31年1月1日施行)

 これまでも視覚障害者のための音訳(文字や図表などの視覚情報を音声に換えて提供すること)は著作者の許諾なしに行うことができましたが、肢体不自由等により書籍を持てない人のために音訳する場合にも著作者の許諾を不要としました(著作権法37条)。この改正は、「盲人、視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約」の締結に向けた改正です。

アーカイブの利活用促進に関する権利制限(平成31年1月1日施行)

 文化的資料の活用を促進することを目的として、著作者の許諾が不要となる場合を追加しました(著作権法31条、47条、67条等)。
 具体的には、美術館で作品の解説・紹介をするために、ウェブサイトでその作品のサムネイル画像を掲載することが著作者の許諾を得ずに行うことができるようになったり、国立国会図書館が保有する一般に入手することが困難な著作物の画像データを海外の図書館等に提供できるようになりました。

著作権保護期間の延長(平成30年12月30日施行)

 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の締結に伴い、著作権の保護期間が著作者の死後の翌年から50年だったものが、死後の翌年から70年に延長されました。無名・変名による著作物や団体名義の著作物についても、同様に公開の翌年から70年に延長されています(著作権法51条2項、52条1項、53条1項、101条2項1号・2号)。
 なお、施行日までに保護期間が切れてしまっている著作物については、延長の効力は及ばないことから、昭和43(1968)年以降に著作者が死去した著作物(無名・変名、団体名義の著作物については公開された著作物)が保護期間の延長の対象となります。
 例えば、「犬のおまわりさん」などで知られる佐藤義美氏は1968年に亡くなられたので、同氏の著作物の保護期間は2018年12月31日までから2038年12月31日までに延長されますが、「樅ノ木は残った」などで知られる山本周五郎氏は1967年に亡くなられたので、同氏の著作物の保護期間は2017年12月31日で満了しています。したがって、延長の効力は及ばないことになります。

 著作権の保護期間が延長されることは、権利者にとってはプラスに働きますが、著作物を利用する側にとっては、保護期間が20年延長されることによって、許諾を取る必要がある著作者の相続人が従来よりも増える可能性があります。権利者の身元や所在が不明となった著作物を「孤児著作物(Orphan works)」といいますが、こうした著作物が増えることで、著作物の利用(テレビ番組の再放送や作品のデジタルアーカイブ化)に支障が出る恐れがあります。

著作権等侵害罪の一部非親告罪化(平成30年12月30日施行)

 親告罪とされていた著作権等侵害罪について、

  1. 対価を得る目的又は権利者の利益を害する目的があること
  2. 有償著作物等について原作のまま譲渡・公衆送信又は複製を行うものであること
  3. 有償著作物等の提供・提示により得ることが見込まれる権利者の利益が不当に害されること

の全ての要件を満たすときは、著作者の告訴がなくても処罰することができるようになりました(著作権法123条2項・3項)。具体的には、漫画や小説の海賊版を販売した場合や映画の海賊版を配信した場合などが、非親告罪化の対象となります。なお、同人誌やパロディは、上記の2の要件を満たさないため、非親告罪化の対象外です。

著作権の移転と第三者の保護(令和元年7月1日施行)

 従来から著作権の移転については登録しなければ第三者にその効力を主張できないとされてきましたが、相続や会社の合併・分割等による著作権の移転については、例外的に登録しなくても第三者にその効力を主張できるとされていました(第三者に効力を主張できることを法律用語で「対抗できる」といいます)。
 平成30年法律第72号による改正では、この例外規定を削除し、すべての著作権の移転について、登録しなければ第三者に対抗できないとされました(著作権法77条、88条)(ただし、法定相続分を超えない部分の相続による移転は除きます。)。この取り扱いは不動産登記と同様で、第三者の取引の安全を確保するためにルールを統一しました。
 今後は著作権を譲り受けたという人や会社からさらに著作権を譲り受けるときは、著作権の登録情報を確認し、本当に相手が著作権を持っているかどうかを確認すべきということになります。

令和2年(2020年)著作権法改正から

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令和2年(2020年)の著作権法改正は何が目的だったのですか?
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海賊版対策、著作物の利用円滑化、他の知的財産法との整合性を図る等のための改正です。改正の内容を説明しますね。

インターネット上の海賊版対策の強化

 海賊版に対する著作権法の対応はこれまでも行われてきましたが、令和2年改正はインターネット上の海賊版に対する対策が進められました。背景には海賊版を公開するサイトと、そうした海賊版公開サイトへのリンクを掲載したサイト(リーチサイト)・アプリ(リーチアプリ)の存在があります。
 文化庁の資料によると、漫画の海賊版公開サイト「漫画村」では約3,000億円分の出版物がタダ読みされた計算で、漫画家・出版社の収入・売上が20%も減少したとの試算もあります。また、日本最大級のリーチサイトといわれた「はるか夢の址」による被害は約731億円と試算されており、こうしたリーチサイトに海賊版公開サイトへのリンクが貼られることで被害が大きく拡大することが指摘されています。
 こうしたことから、令和2年改正では、リーチサイト・リーチアプリの違法化と、海賊版サイトからのダウンロードを違法とする改正が行われました。

リーチサイト対策(令和2年10月1日施行)

 リーチサイト・リーチアプリについては、①運営者がサイト・アプリを制作する場合と、②掲示板サイトにリンクが掲載されるケースを想定し、①はもちろんのこと、②についても運営者が違法リンクが多数貼られていることを知りながら放置していた場合には著作権侵害行為とみなし、民事上の差止請求・損害賠償請求を受けるほか、刑事罰を受けることとされました(著作権法113条2項~4項、119条2項4号・5号、第120条の2第3号等)。

 なお、TwitterやYouTubeのように、一部の利用者が違法リンクを貼っているに過ぎないプラットフォーム・サービス提供者については、②の規制は原則的に及ばないとしつつも、著作者等からの侵害コンテンツへのリンクの削除要請を正当な理由なく相当期間にわたって放置しているなど、悪質な場合には除外されないとし、プラットフォーム・サービス提供者に対しても著作権侵害の防止に真摯に取り組むことを求めています。

 コミュニティサイトを運営している企業としては、自社が運営しているサイトがリーチサイトとして利用されていないか確認するとともに、著作者等からの削除要請がなされたときは、放置せずに削除等の対応を行うようにしましょう。

侵害コンテンツのダウンロード違法化(令和3年1月1日施行)

 改正前から映画・音楽の海賊版についてはダウンロードが違法とされていましたが、令和2年改正ではその範囲を著作物全般に拡大しました。これにより、書籍・漫画はもちろん、著作者に無断でアップロードされた論文やコンピュータプログラムを、違法にアップロードされたものであることを知りながらダウンロードしたときは、私的利用の範囲であっても著作権侵害にあたるとされました(著作権法30条1項4号・2項)。
 また、正規版が有償で提供されている著作物について、継続的にまたは反復して海賊版をダウンロードしたときは、刑事処分の対象となることになりました(著作権法119条3項2号・5項)。
 なお、数十ページで構成される漫画の1コマ~数コマのダウンロード、長文で構成される新聞記事の1行~数行のダウンロードなど、著作物全体の分量から見てダウンロードされた分量がごく少量の場合や、二次創作者が原作者に無断で二次創作物をアップロードし、サイトの利用者が原作者に無断でアップロードされていることを知りながらダウンロードした場合については、違法化の対象外とされており、必要以上に国民が委縮することがないようにしています。

写り込みに係る権利制限規定の対象範囲の拡大(令和2年10月1日施行)

 これまでも例えば街中で人物の写真を撮影しているときに、背景にイラストなどの著作物が写ってしまったような場合については、形式的には複製権の侵害となるものの、侵害とならない取り扱いがされていました。令和2年改正では、スクリーンショットやインターネットの生配信、ライブカメラの映像などの写り込みについても、複製権の侵害とならないとされました(著作権法30条の2)。

 写真撮影や動画制作を仕事にしている事業者にとっては、写り込みとして認められない場合は、著作者の許諾を取る必要があることから、その範囲が明確になっていることが望ましいといえます。今回の改正では、メインの被写体に付随する著作物であれば、分離困難でないものも写り込みの対象とされることになり、例えば子どもにぬいぐるみを抱かせて撮影するような場合も許諾不要となりました。
 他方で、人物の写真を撮っているように見せかけて、実際には持っている漫画の内容を見せようとしているような場合には、正当な「写り込み」とはいえず、著作権侵害となります。

行政手続に係る権利制限規定の整備(令和2年10月1日施行)

 これまでも特許や商標の審査を行う際に、著作者の許諾がなくても論文等の著作物を複製し、添付することが認められていましたが、この範囲を拡大し、同種の行政手続についても、論文や新聞記事等の著作物を著作者の許諾がなくても複製できることとしました(著作権法42条2項)。

著作物を利用する権利に関する対抗制度の導入(令和2年10月1日施行)

 著作権者(ライセンサー)と利用許諾契約(ライセンス契約)を締結して著作物を利用している者(ライセンシー)は、従来、著作権が譲渡されてしまうと、譲受人に対してその利用権を主張することができませんでした。令和2年改正では、これを改め、ライセンシーは譲受人に対して利用権を主張できるようになり、著作権の譲渡後も引き続き著作物を利用できるようになりました(著作権法63条の2)。
 また、利用権を主張するために、登録などの手続は不要とされており、利用許諾があったことを契約書等で証明できればよいとされます。

著作権侵害訴訟における証拠収集手続の強化(令和3年1月1日施行)

 著作権侵害訴訟において、裁判所は、侵害立証や損害額計算のために必要な書類を裁判所に提出するように求めることができますが、実際にその書類を見てみなければ提出命令を出すべきか否か判断が付かないケースもあります。
 そこで令和2年改正では、裁判所が提出命令を出す前に、書類の保有者(主に著作権を侵害したと訴えられている被告)に対して、書類を裁判所に提示させたり、当事者の同意の下、専門家に書類を見せ、判断のサポートを受けることができるようにしました(著作権法114条の3)。この改正は平成30年の特許法改正との整合性を図ったものです(特許法105条参照)。

アクセスコントロールに関する保護の強化(令和3年1月1日施行)

これまでもCDやDVDにかけられていたプロテクトを解除してコピーする行為は著作権侵害行為とみなされていましたが、近年、ソフトウェアをダウンロードし、その後にシリアルコードを入力してライセンス認証するケースが増えてきたことから、ライセンス認証を回避するような不正なシリアルコードを提供する行為も著作権侵害行為とみなすように改正されました。

プログラムの著作物に係る登録制度の整備(令和3年6月1日施行)

 プログラムの著作物の場合、他の著作物と異なり、公開・公表を予定していないものが多い一方で、複製が容易で頻繁に加工・翻案が行われる(侵害されやすい)という特徴があります。そのため、プログラムの著作物については、公開・公表年月日の登録制度(著作権法76条)に加え、創作年月日を登録する制度があります(著作権法76条の2)。

 これまで、裁判等で自分のプログラムが相手方のプログラムよりも先に創作されたことを証明するには、保有するプログラムの保存日時等によるしかありませんでした。今回の改正で、指定登録機関(一般財団法人ソフトウェア情報センター)に登録した際に添付したプログラムのソースコードと、著作権者が保有するプログラムのソースコードが同一であることの証明書を請求できるようになりました(プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律4条)。これにより、ソースコードの保有者が登録されたプログラムの著作物と同一のソースコードを保有している、すなわち登録時点でその人がプログラムの著作物を創作・公表したということが主張しやすくなります。

令和3年(2021年)著作権法改正から

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今回最後に紹介するのが令和3年改正です。主な内容は①図書館を通じた情報収集を円滑に行えるようにするための規定の整備と②放送のインターネット同時配信に関する規定の整備です。それぞれ説明しますね。

図書館関係の権利制限規定の見直し

 図書館を通じた情報収集を円滑にするための制度の整備については、従来から要望が出ていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、図書館の休館が相次いだことで、図書館に足を運ばなくても資料を閲覧できるようにしてほしいというニーズがいっそう高まることとなりました。
 令和3年改正では、インターネットを通じて図書館が保有する資料にアクセスできるように規定を整備しました。

国立国会図書館による絶版等資料のインターネット送信(公布日(令和3年6月2日)から1年以内に施行予定)

 国立国会図書館が保有する、絶版等のために入手が困難な資料については、これまでもそのデジタルデータを公共図書館や大学図書館に送信し、利用者はその図書館でそのデータを閲覧したりプリントアウトすることができました。
 今回の改正によって、事前に登録した利用者がID・パスワードを使って国立国会図書館のウェブサイトにログインし、自宅や会社のパソコン等で資料を閲覧したり、必要な範囲でプリントアウトすることができるようになります。

 何が入手困難な資料(絶版等資料・入手困難資料)に該当するのか、という点については、今回の改正で変更はありません。紙の書籍が絶版となり、電子書籍化される予定がない場合や、郷土資料のように当初からごく小部数しか発行されていないような場合は絶版等資料に該当しますが、単に書籍の値段が高価なために経済的理由で購入できない場合や日本国内での入手が困難なだけで海外から取り寄せることが可能な場合は該当しません。
 また、漫画、商業雑誌、出版されている博士論文等については、絶版等資料に該当する場合であっても、権利者保護の観点から閲覧不可とするほか、その他の図書についても著作者から拒否された場合や閲覧を可能にすることで人権侵害や個人情報の漏えいのおそれがあるような場合は閲覧不可となります。

各図書館等による図書館資料のメール送信等(公布日(令和3年6月2日)から2年以内に施行予定)

 これまでも各図書館が保有している資料の一部を複写して郵送するサービスはありましたが、メール等でデータを送信することはできませんでした。
 今回の改正によって、利用者は補償金を支払うことで著作物の一部をメール等で受け取ることができるようになります。

 ただ、このメール送信を無制限に認めると、著作権者の利益を害することになりかねないことから、その対象を絞ったり、コピーを防止する措置を講じるといった条件が付けられます。具体的な内容については、今後、省令やガイドラインで定められる予定です。

放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化(令和4年1月1日施行)

 テレビ番組・ラジオ番組のネット配信は、放送事業者が「見逃し配信は○○で」と積極的にアピールしていることもあり、この数年で利用者が急増しています。しかし、実際に見逃し配信を見てみると、対象外となっている番組があったり、一部の内容について「権利の都合でご覧いただけません」などと表示され隠されている場合があります。このような処理をせざるを得ないのは、放送とネット配信で別々に著作権の利用許諾を取る必要があることが一因とされ、ネット配信によるコンテンツの活用に支障が生じていました。
 今回の改正によって、放送番組での著作物の利用を認める契約の際に、特段の意思表示をしなければ、放送だけでなく同時配信等での利用も許諾したと推定する規定が新設されることになりました。
 また、過去の放送番組のネット配信(再配信)のための権利処理について、再放送と同様の取り扱いとするように定められました。

 これらの改正はコンテンツのネット配信ビジネスを拡大していきたい放送事業者と多くのコンテンツを視聴したい利用者にとってメリットが大きいといえます。一般の事業者への影響は小さいといえますが、今後は放送に自社の著作物が利用される場合、ネット配信でも利用されることが前提となります。利用許諾契約を締結する際は注意しておきましょう。

まとめ

 今回は、平成30年(2018年)以降の重要な著作権法改正について紹介しました。デジタル化・ネットワーク化が進展する社会において、その活用と権利侵害の防止は裏表の関係にあり、近年の著作権法の改正も両方の観点から行われています。今後の動向についても、注意しておく必要があるでしょう。


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